暗闇に落とされそうな人へ

ずっと、いつまでも燦々と輝く太陽だと思っていたものが

実は裸電球だったり蛍光灯だったり

ロウソクだったりオイルランプだったりすることもあるだろうよ

自分のいた場所が窓のない部屋だったりすることもあるだろうよ




太陽だと思っていた明かりが突然、輝きを失ってしまって辺りが

暗闇になってしまうこともあるだろうよ

その直後は、きっと怖くて寒くてしかたがないと思う

その場にへたり込んでしまってもいいと思う

もう太陽の存在なんて信じられなくなることもあるかもしれない




でもね




程なくしてきっと目が闇に慣れてくる

明るすぎて見えなかった何かが見えてくるかも知れない

遠くにぼんやりと部屋の出口が見えるかもしれない





きっとドアを開けたら本当の太陽がアナタを待っている




でも、その太陽もアナタの思う通りには動かないだろう

いつか、夜が来て月明かりに道を迷うこともあるだろさ

一日、雨が続いて太陽が見えないこともあるだろさ

もしかしたら、嵐がくるかもしれん

もしかしたら、白夜があるかもしれない

でもいつか、夜は明けるし雨はやむし嵐は去るし白夜もそのうち明けるだろう



もしかしたら実はその太陽も水銀灯だったりするかもしれない

そしたらまた太陽を目指せばいいじゃない





今は、陽が陰っているだけであることを願う
                         不鎖縛人